一億総グルメ時代の到来によって、味や鮮度に対する消費者の注文は厳しい。
産地間競争が本当に熾烈になっているわけだ。
そういう状況下で、他産地にはない特徴として、「無(低)農薬」や「有機農法」を売り物にしようとしている農協も多いようだ。
高くてもそっちがいいという消費者が少なくない現状では、より高く売れる物を作ろうという動きは当然かもしれない。
減農薬とか、低農薬などの言葉は、一見すると非常に正直な表現のようだが、その実、大きな問題も含まれている。
つまり、何を基準にして、どのようにどのくらい減らしたのかが、何もわからないということだ。
たとえば同じコメでも、地域やその年の気象条件で病害虫の発生状況が違うから、農薬を使う回数や種類が違うことは、再三繰り返してきた。
ふつうにやって7回、という場合もあれば、3回減らして7回、ということもあるわけだ。
そういうことがあるから、農業関係者は、農薬使用回数だけを問題にするとらえ方に首をかしげるのだ。
残留農薬検査