茨城県は、平坦で広い耕地と温和な気候に加え、大消費地に近いなど、野菜園芸産地として恵まれた条件をもっている。
農業全体では、87年で4,702億円と北海道に次ぐ粗生産額をもち、野菜でも、千葉県に次いで第2位の位置を占めている。
江橋さんは、茨城県旭村で奥さんと息子さん三人でハウスメロンを80ha作っている専業農家だ。
旭村は、鹿島灘に面した、比較的温暖で平坦な地形に恵まれた農業地帯である。
耕地の71%を畑地が占め、メロン、サツマイモ、ゴボウ、イチゴなどの野菜類が中心となり、とくにメロンは産地化が進んでいる。
江橋家は代々の農家で、義則さんは20歳の頃から農業に従事している。
「メロンは、露地物よりもハウスの方が糖度が高くておいしいものができるんですよ」とまず教えてくれた。
この地域は春先に海風が強くてビニールを張るのに苦労するとのことで、「80ha全部張るのに3人で10日はかかる。その他に苗作り、定植など手間がかかることがあるので、3人ではこれで手一杯だ」
規模を拡大したいそうだが、そうもいかないわけだ。
「農薬を使わないと、収量は半分から3分の1くらいに減ってしまう。品質も落ちるし、良いものを作れば手間ばっかかかって採算に合わないよ」
収量・品質・日持ちや労働力の軽減を考えると農薬は必要不可欠なものといえそうだ。
「ハウスの中は完全密閉になるので散布する時に危険性があるが、マスクや防除衣を着用するので、いままでに事故はないよ」
使用方法を守り、必要な注意を払えば、それほど心配しなくてもいいということのようだ。
残留農薬検査