エイムズ博士は、論争の中で、「人間が摂取する植物中の発ガン物質のうち、天然化学物質の割合が極めて高い」と指摘している。
それらを、昆虫や菌類などの病害虫から身を守ため、植物自身が生産した「天然の農薬」であると表現している。
なるほど、マッシュルームに含まれる発ガン物質は、天然の殺虫成分ヒドラジンだ。
発表のやり方が、あまりにもセンセーショナルで、いかにアメリカ的と言っても、ショック療法の度が過ぎる、という気がしないでもない。
しかし、エイムズ博士はこのレポートを発表した理由を「われわれは、あまりにも無知だった。なぜ自然のものに発ガン性があってはいけないのか。人間の作ったものだけが害があると思い込んでいてはいけない」からだと語っている。
そして、合成化学物質にも危険なものが数多くあるにせよ、自然界には、それ以上に危険なものが、何も調べられないままに放置され、安全だと信じられていることを強く指摘している。