コメ関税化の教訓 その2(残留農薬検査)

軍需産業には弱いが、平和な民需産業では世界最強国の一つだとの自負から、日本はさらに繁栄を続けることができると考えていた。

今から振り返れば、我々日本人は恐ろしいほど能天気だったのである。

しかし、ベルリンの壁崩壊を米国政府はまったく違った観点から眺めていた。

当時のニューズ・ウィークにべーカー米国務長官のコメントが掲載されている。

「これで冷戦という戦争が終わった。

この冷戦における最大の戦勝国は日本だ。

これからポスト冷戦という新たな戦いが始まる。

その戦争で日本を勝利させない」

東西冷戦が終結した時、米国は日本がライバルになった事を鮮明に意識していた。

冷戦構造の中で、アジアの基軸国として日本を強化し、ソ連、中国の勢力拡張を防止してきたからである。